島根県立三瓶自然館サヒメル 企画情報課 中村唯史様
冬山を覆っていた灰色の重たい雲を南風が飛ばし、冬枯れの森に注ぐ日差しが、三瓶山に春の訪れを告げます。
寒さ厳しい山だけに、春の訪れはひとしお。日差しが力強さが増すとともに花が咲き、緑の葉が広がり、その移ろいはほんのひととき目を離しただけでも変わるほどに早く感じられます。
この季節、登山に野の散策にと慌ただしく動き回るのも良いけれど、少し立ち止まって春を感じるのも良いものです。
三瓶山麓の広い草原のまん中、まだ芝が生えそろわない草地の上に寝転がると、草いきれや花の香り、鳥のさえずり、まだ少し冷たい風と日差しの暖かさが体中で感じられ、日常の生活とは違う感覚に包まれることでしょう。
目を閉じて楽しむ春の三瓶、ほんの5分間試してみてはいかがでしょうか。